2015/03/09

【雑談】おれは孤独を恐れない。これは、いわば、絶望からの出発だ。

「三島先生の作品が正直全くわからないのであります!」


必勝ーーーーー!!!!!!!



昨夜、若松孝二監督「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」という映画を見ました。
わたくしの敬愛してやまない上原師匠のレコメンドシステムにより、本作に触れることとなったわけであります。
僕は三島由紀夫の作品は好きです。完全に理解してるかはさておき、彼の文体が好きで、毎回ぞわっとしながら読んでいました。その”ぞわっ”っていうのは2種類のぞわっ、で、なるほどそういうことかあああのぞわっ、と、うっわああさっぶうううううのぞわっ。
でも、どっちもすごいかっこよくて、好きなんです。好きだからなんとなくは知っているつもりでした書籍は仮面の告白からざくっと若きサムライたちへ、まで読んできたし、楯の会の概要も、なんとなーく知っていました。
この映画は、三島がなんで自決したんだっけー?っていうのをあまり報道されていないことを前後関係整理しながら描いてるドキュメンタリー風の作品なんだけど、うえええそうなんだ!!!って発見がめっちゃ多かったです。
何が一番衝撃だったかってもう楯の会がグズグズなんですよね、それはもうグズグズ。組織として全くうまくいっていないさまが、とても苦しかった。作品の随所に表現されているんだけれども、三島由紀夫が社会とどんどんズレてきていたんだってのが、これみてよくわかりました。本当に切ない。
それでも彼の中の正義、美しさってものは、全く変わらなくって、己の美しき死を、つまり大義を探していたわけです。山口二矢の自決とか、色々契機はあって、結局森田必勝という若き青年と、ぐああああってシンクロ(本当はシンクロできてない)して、最期を迎えたわけなんだけど。
いわゆるこの三島事件(本当は森田必勝事件と呼ぶべき)がもつメッセージっていうのは、とても濃厚で、同じ人間として、同じ日本人として、何かこう心が奮い立たされるものがある。
「おれは結局こんだけぐずぐずだったけど、最後まで戦ったよ。君はどうだい?」
そう三島由紀夫に、森田必勝に言われているような気がしてなりません。
もちろん、自ら死ぬことは決して許されないそれは宇宙の法則に逆らうことで、世界をオールナッシンアボーン状態ですと決めつけてしまうことになってしまうから。親の泣いた顔を見れば、宇宙に逆らおうとしていたことがいかにいけないことか、すぐにわかる。
そして彼らが、三島が本当に言いたかったことは、それでも自分の信じたものと心中する覚悟で戦い、生き続けよ。ということなんだろうと勝手に解釈しています。

そう、タイトルは三島先生のハイパー名言なんですけど、これはもう、一つの真理を啓示していて、「人間は結局いつまでもひとりだよ」っていうことを、いつ悟れるか。もう楽に生きるにはこれが一番大事なんです。映画の中でも、結局三島も森田も隣にいながらも孤独で、ベン図が重なる瞬間もあるけどやっぱり一人で。ただ、三島先生の先生たる所以は、それをすでに理解し諦めているところなんです。だから、絶望からの出発。マイナスからのスタートとかそんな次元ではなくて、絶望からの絶望なわけです。もうこれは前提の上で、はじめましょうよ、と。おれは孤独を恐れない。
いやあ、素晴らしい映画でした本当にありがとう上原さん。

ただ、先日7日に墨田区BBS会の総会にてライブをやって改めて感じたのは、音楽(芸術)は、それでも人とシンクロする瞬間、宇宙と一体化したような瞬間があるということ。
もうそれはわかる自分、わかる人とだけ共有できたらそれでよかったりするということ。もう本当十分すぎるくらい気持ちがいい。
もちろん、できるだけわかりやすい形で、より面白く、よりディープにしていく姿勢だけれども。だからやめられなくやってしまう。いくつになってもライブハウスで音楽やってしまう人の気持ちが22の僕にもちょっとわかった気がした。あぶない、危険な世界だああああああ!!!!!!!


2 件のコメント:

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  2. 良いですね。芯をキッチリと捉えられておられて。非常にフワっとした感覚のアレがね。なかなか他人と分かち合えないのですが、どこかしら琴線に触れたようで。
     小生もやっとこ観ていただけて肩の荷が降りた次第であります。
     できれば retweet などして差し上げたいのですが、ある事情によりSNSでの小生は死に体であり、こちらでコメントするのが精一杯であります。
     が、しかし。なにかしらのリアクションはせねばならぬと、さう思ったのでこちらでのみコメントさせていただきます。
     端的にお伝えしたいこととして、自己表現の手段は流転しても構いません。その時々で貴方のなさりたいことを過去未来前後ぶったぎって、現在の今をただただ生きていってください。
     生きるためには食わねばなりませんから、最低限の金銭を騙し騙し縁を食み、少々の狡猾さを身につけてください。
     またお逢いしませう。

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